境界性知能について考えてみる
*個人的な主観のため、あしからずご了承下さい
境界性知能とは?
IQ70ー84の人の事を言う
IQ69以下の場合は、他の条件との検査が必要だが知的障害者と認定される場合が多い
IQ85ー115が日本人の平均IQで、知的障害者と認定される間(境界線)の為
「境界(性)知能」と言われる
IQ69以下の人口割合が1〜2%程度に対して
境界性知能の割合は15%程度(約7人に1人ぐらい)
IQとは?
IQにも色々と種類があるようですが、知能指数を表す指標として使用されます
IQが高いと論理的思考に優れていると言われています
IQが低いデメリットは?
- 本人も周りも気づかない
これが何よりキツイです
他にもいくつかデメリットはありますが、そもそも本人に自覚症状がないこと、
そして周りにそれが理解できない事が事態を悪化させます
そもそも一般生活においてIQを図る事がない為、知的障害者として認定されていない場合は
普通(IQ85以上)の人達と同じクラスで同じように進級していきます
学業が苦手な場合が多いのですが、勉強は「やらない人」が単純にテストの点が悪い場合もあるので
クラスで自分だけが点数が悪い場合はほとんどありません
同じように進級していくので、本人も周りの人も「同じカテゴリー」として見ます
すると本人は当然、「自分は問題ない」と認識します
ところが、入学試験や就職試験など篩(ふるい)にかけられる場合には
非情にも優劣が分かれてしまいます
周りの人たちからしても「本人の努力不足」とされてしまう事が多い為
徐々に苦境になっていきます
- 理解力が乏しい
IQ≒論理的思考力と言われています
文字は読めるけど、文章が理解できない
言語は分かるけど、内容が理解できない
これは本当によく起こりうる問題です
ただ、本人は当然わかっているつもりです
なので言っている方からすると、「分かったって言ったのに全然分かってないじゃん!」
みたいな事がよく起きます
- 感情論者になりがち
論理的な思考が苦手な為、「嫌だからやりたくない」のように感情的思考になりやすいです
例えば仕事の場合、、、
業務内容について指摘を受ける
↓
(自分はできていると思っているため)イチャモンをつけられた気になる
↓
気分を害し、「やりたくない」
- 総括
職場においては結構苦労する事が予想されます
まず、周りに境界性知能に対する理解がない事、ほとんどの企業において
IQテストを実施している事がない為、誰も気付きません
物覚えがあまり良くないことが多いですが、本人は出来ていると思っているため
周りの要求と噛み合いません
本人「なんでこんなに仕事が出来ているのにガタガタ言われないといけないんだろ」
周囲「なんで言ったことをしっかりやってくれないんだろ」
みたいな感じです
更に論理的思考に乏しいため、非常に素直な一面がある一方で特に自分の考えがないので
言われた事しかできない場合が多いです。
作成されたフォーマットに入力することはできても、
フォーマットを作成することができないイメージです
向いている仕事となると、知能の差があまり出ない簡易的な業務になります
ただ、簡易的な業務はどうしても給料が安い事が多いのと
その手の業務は、現代においては派遣社員やアルバイトで埋め合わせる事が
主流になっているため、長期的な雇用が難しいです
知的障害者の場合ですと平均給与は11.7万円ぐらいと言われていますが、
知的障害者の場合は国からその障害を補償されています
対して、境界性知能の人は一般の人たちと同等に扱われます
当然、競争の中で就職・業務を行なっていかないといけない為
長期的には不利であると言えます
IQが低いメリットは?
色々調べて見ましたが、メリットと呼べるものはありませんでした
ただ、いくつかIQの高低による特徴があったので前向きに受け取れるものを
列挙したいと思います
- 素直である
デメリットの方でも挙げましたが、基本的に自分の考えを持たない事が多いので
素直である事が挙げられます
第一印象があまり悪くない可能性は高いです
- 友達が多い
サバンナ幸福論
IQが高い人:孤独・都会を好む
IQが低い人:友達が多く、田舎を好む
イギリスの研究結果で、IQが高い人は社会的相互作用が少ないほど
幸福度が上がり、IQが低いと逆のことが起きるとのこと
交友関係が広いため、周りの人に助けられやすいと言う点はありそうです
- 悩みが少ない?
これは少し逆説的になりますが、高いIQの人と比べて悩みが少ないようです
IQが高い人の特徴(デメリット)
・孤独を感じやすい
「説明」は得意でも、「教える」ことは苦手とされています
相手の気持ちやレベルが理解出来ない事が多く、当人も人を煩わしく思うと同時に
相手も距離を置きたがる可能性が非常に高いです
・躁うつ病になりやすいこれは研究結果で出たようです
感情ではなく、頭で処理しようとするため記憶に残っている限りは
ずっと考え込んでしまう場合が多い為ではないかと言われています
美味しいものを食べたら機嫌が治る!みたいな事が起きにくい為
かなり苦労しそうです
本人の性格にもよりますが、知性が性格を形成する可能性も否定出来ないため
しつこいタイプはIQが高い可能性が考えられます
まとめ
総括の前に、僕の過去の体験談をお話ししたいと思う
以前に僕のチームに一人の派遣スタッフが来た事があった
初日は非常に愛想の良い人がきたなぁーという印象だったが、
2日目の感想が「良い子そうだけど、なんか失礼なんだよなぁー」だった
その2日目はこのような事があった
当時僕はその人のインストラクターをしていたのだが、
ちょっと緊急な仕事が入っため、教えている途中で「ちょっと待ってて下さい」とお願いした
すると、近くの人に「何かやる事ありますか?」と声を掛けていた
近くの人が少し仕事をお願いすると、それをずっとやっていてその人から
「終わったんですけど何かやる事ありますか?」と声を掛けられたのは就業時間間際だった
「(???)」なぜ、待ってという指示に従わず、むしろ僕が後回しにされているんだろ・・・
ただ驚いたのはその翌日からだった
翌日にはもう僕に挨拶もしなくなり、その近くの人に「今日は何をやればいいですか?」と
声を掛けるようになっていた
その後、1−2ヶ月ほど経ちその人にも担当業務が割り振られ当時の事を聞いてみたが
「私、じっとしてられないんです」と言われた
だが、担当業務を割り振った後は明らかに暇そうな時でもぼーっとしている
全く理解に苦しんだが、「指導する側にも業務都合があるから、待ってと言ったら待ってほしい」
と伝えたところ、ようやく「すみません、でもそれは言ってくれないと分かりません」と。。。
その後もこのような微妙な感覚の違いが業務上含めてずっと続いた
大まかな特徴はこんな感じだった
- 覚えるのが比較的遅め
- 2つ以上の事を同時に出来ない
- 悪気がない
- 行動や発言に一貫性がない
- すぐにやる気をなくす
- 仕事には自信を持っているが、すぐに「出来ない」という
- ランチなどの緩い雰囲気では普通の感じ
改めて書き出してみると、IQの低い人の特徴・境界性知能の人の特徴に非常によく合致するのだが
これらを把握するのに実に半年ほど掛かった
テレワークの導入などもあり、ちょっと把握が遅れた部分はあるのだが
本人の努力不足だと思っていた僕はやはりよくその人と衝突した
その人は程なくして退職したのだが、こちら側が把握できた頃には当人は既にやる気を失っている場合も少なくないと思う
正直、そのまま職場にいても仕事ができるようになる可能性は極めて低かったと思うが、
他の職場にいっても長期的には同じような事になるのでは?とも思う
自身の体験を踏まえても、仮に事前に把握出来ていたとして
周りと同じ給料なのに業務の要求レベルを落とす事は現実的に難しかったと思う
ただ、例えばルーティーン業務などのように同じ事を繰り返ししていると
手の早さは普通の人と同じなのでそのような形でも何か対策は考えるべきではないかと思う
これからは働き方に自由が与えられる一方で、同じだけの責任を負うことになる
先天性の個人能力によって、格差が生まれ返って不自由を強いられる可能性がある事を
考えておかなければならない
以上
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